きっと貴方は………好きになる
「和花~」

コーヒーを片手に、呆れ半分で笑ってる祥ちゃん。




今日は、いよいよ祥ちゃんとデート。

さっさと用意した祥ちゃんは

バタバタ2階の自分の部屋と

1階にある洗面所を往き来している私を見て笑って待ってるの。

今までに何度だってお出かけしたし。

『デートだ!』って言ってたことだっていっぱいある。

けど………。

彼氏彼女になってからのデートは………初めて。

子供が、お兄ちゃんとのお出かけを『デート』って言ってたのとは違って………。

今日のは、正真正銘……恋人が行くデートなの。

だから

可愛いって思ってもらえるよう

2日前から張り切って用意してたのに………。

今朝の目玉焼きが…………!!!!!

大好きな半熟卵のベーコンエッグを口にしてたとき

「和花、これっ!」って………。

よりによって、大きな口を開けてパクって噛みついた時

お義父さんが………

ポンって……頭の上に何かで叩いたの………………。

「あぁ~っ!!!!」

ポトッと落ちた黄身は…………。

真っ白なワンピースに…………タンポポのような黄色いシミを作った。

目が点の私と………

怯えたように固まったお義父さんと………

「あぁ~あ。」と、小学生のような批難の声をあげた祥ちゃん。

「…………………お義父さん!!!」

多分つり上がってたと思う目で、キッと睨むと…………。

「ごめん!!!
ごめんなさい。
……………和花、怒らないで~!!!!」と

刑事さんとは思えない情けない声で、謝ってきた。
< 96 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop