きっと貴方は………好きになる
お父さんに泣かされて

結局出掛けられたのは、お昼前になっちゃった。

「和花、いいか?」

助手席に座ってシートベルトを装着すると。

滑らかに動き始めた。

「遊園地に行く予定が、遅くなったから………。
何処か行きたい所あるか?
遊園地は……またゆっくり行こう。」

そうだねぇ~

この時間からだと、あまり乗らないうちに帰らないといけないもん。

行きたい所かぁ~

う~ん…………。

この間動物園は行ったし………。

………………………。

悩んでいたら。

「だったら、俺の行きたい所でも良い?」って。

「もちろん!
祥ちゃんの行きたい所………私も行きたい!!」

生まれた時からずっと

私のワガママに付き合ってくれてた祥ちゃん。

お姫様扱いは、嬉しかったけど。

せっかく彼女になれたんだもん。

祥ちゃんのワガママが聞きたい!

ワクワクする私に………

「そんな楽しい所じゃないんだけど………」って

苦笑いで返された。

「何処だって良いよ!
祥ちゃんと一緒に………
祥ちゃんの行きたい所に………
二人で行くことに、意義があるんだもん。」

祥ちゃんに一歩近づける気がして……

弾む気持ちを押さえるのに苦労した。
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