訳あり冷徹社長はただの優男でした
***
すずはママが死んでしまったことを分かっているのかどうなのか、お通夜もお葬式もただただお利口さんにしていた。
もうすぐ三歳。
一時また夜泣きが酷くなった。
それなりに何かを感じ取っているのだろうか。
対応するこちらの気が滅入りそうだったけど、きっとすずはすずで頑張っているに違いない。
それに、子供ってすごい。
もう今は大笑いしながらパパと遊んでいるのだから。
「すず、りんごは英語で何て言う?」
「んーとねぇ、あっぽろ!」
「おお、すごい!じゃあレモンは?」
「ぴーちっ!」
「それは桃だよ。レモンはレモンだよ。」
「えー?なんでー?あっぽろ?」
おままごと用のりんごとレモンを手に取りながら、すずが首を傾げる。
「すずねー、たまごすきー。たまごぱっかんしたい。ねえねもいっしょにやろー。」
「はいはい。」
すずの小さくて可愛い手が私の指を掴む。
いつか柴原さんが言っていた。
───すず可愛いなぁ。すずがいると癒される。
本当にそうだと思う。
私もすずの笑顔を見て癒されている。
「ねえねー。」
呼んでくる声も可愛くてたまらない。
すずはママが死んでしまったことを分かっているのかどうなのか、お通夜もお葬式もただただお利口さんにしていた。
もうすぐ三歳。
一時また夜泣きが酷くなった。
それなりに何かを感じ取っているのだろうか。
対応するこちらの気が滅入りそうだったけど、きっとすずはすずで頑張っているに違いない。
それに、子供ってすごい。
もう今は大笑いしながらパパと遊んでいるのだから。
「すず、りんごは英語で何て言う?」
「んーとねぇ、あっぽろ!」
「おお、すごい!じゃあレモンは?」
「ぴーちっ!」
「それは桃だよ。レモンはレモンだよ。」
「えー?なんでー?あっぽろ?」
おままごと用のりんごとレモンを手に取りながら、すずが首を傾げる。
「すずねー、たまごすきー。たまごぱっかんしたい。ねえねもいっしょにやろー。」
「はいはい。」
すずの小さくて可愛い手が私の指を掴む。
いつか柴原さんが言っていた。
───すず可愛いなぁ。すずがいると癒される。
本当にそうだと思う。
私もすずの笑顔を見て癒されている。
「ねえねー。」
呼んでくる声も可愛くてたまらない。