訳あり冷徹社長はただの優男でした
「うん、それでね。私は愛に生きることに決めたの」
「何言ってるの?」
呆れて思わずツッコんだ。
姉は目をキラキラさせながらまるでミュージカル女優かのように大げさな身振り手振りを交える。
「私、離婚して好きな人と結婚します!」
呆れを通り越してポカーンとした。
何を言い出すのかこのバカ姉は。
冷たい目をした私に、バカ姉はさらにバカなことを言い放った。
「だからさ、”すず”は美咲にあげる。いい感じに懐いてるし、美咲は結婚できない喪女だからちょうどいいでしょ」
「何言ってるの? ふざけないでよ」
「なんなら旦那もあんたにあげるわ。私ったら超優しいー」
私の意見など聞く耳持たない。
そもそも姉の言っていることは嘘だらけだ。
父親とは仲はよくないが捨てられたわけではないし、母は病気で亡くなっただけだ。
お金に苦労したこともない。
姉は結婚はしたけど早々に別居だと聞いている。
姉の後ろからひょっこり可愛い顔が覗いた。
姉に手を繋がれて大人しく立っている姪っ子、“すず”だ。
すずは屈託のない純粋無垢な顔で私を見た。
そしていつも通り、
「ねえね」
と私を呼んで笑った。
「何言ってるの?」
呆れて思わずツッコんだ。
姉は目をキラキラさせながらまるでミュージカル女優かのように大げさな身振り手振りを交える。
「私、離婚して好きな人と結婚します!」
呆れを通り越してポカーンとした。
何を言い出すのかこのバカ姉は。
冷たい目をした私に、バカ姉はさらにバカなことを言い放った。
「だからさ、”すず”は美咲にあげる。いい感じに懐いてるし、美咲は結婚できない喪女だからちょうどいいでしょ」
「何言ってるの? ふざけないでよ」
「なんなら旦那もあんたにあげるわ。私ったら超優しいー」
私の意見など聞く耳持たない。
そもそも姉の言っていることは嘘だらけだ。
父親とは仲はよくないが捨てられたわけではないし、母は病気で亡くなっただけだ。
お金に苦労したこともない。
姉は結婚はしたけど早々に別居だと聞いている。
姉の後ろからひょっこり可愛い顔が覗いた。
姉に手を繋がれて大人しく立っている姪っ子、“すず”だ。
すずは屈託のない純粋無垢な顔で私を見た。
そしていつも通り、
「ねえね」
と私を呼んで笑った。