訳あり冷徹社長はただの優男でした
家に帰って簡単にご飯を作るも、今日のすずは全然食べてくれない。
立ち上がってオモチャ箱の前で何かを物色し、こちらに戻ってくるかと思いきやまた遊び出す。

「すず、食べないなら片付けるよ。」

「やだー!」

このくだりも、もう何度目だろう。
戻ってきては少し食べ、また遊ぶ。
もういい加減にしてくれ。

「もうご飯おしまいっ。」

強い口調で言ってお皿をシンクへ持っていくと、すずは私にしがみついて泣き出した。

「やだー、たべるもんー。」

「ダメ!すず遊んでるじゃない。もうご飯いらないでしょ。」

「いるもんー!やだもんー!」

大泣きを始めたすずは手がつけられない。
どうすりゃいいんだ。
食べるのか食べないのか、はっきりしてよ。
ていうか、こっちが泣きたいんですけど。

てんやわんやで今日もあっという間に夜が更けていった。
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