訳あり冷徹社長はただの優男でした
急いでお迎えに行くとすずは思ったよりも元気に遊んでいて、私に気付くと満面の笑みで寄ってきた。
ただ、おでこには冷やすテープが貼ってある。

「朝からちょっとぐずぐずしてて、おやつも食べれなくて、お熱を計ったら38度でした。他のクラスでアデノウイルスが出てるので、念のため病院に行った方がいいかもしれませんね。」

「あでの…???」

よくわからないが、病院には行った方がよさそうだ。確かに昨日くらいから鼻水が出てきているのは気づいていた。だけどそれくらいで子供というのは熱を出すものなのだろうか。だとしたらめちゃくちゃ弱い生き物じゃないか。

病院でそのことを言ったら、そうやってだんだんと強くなっていくものだと教わった。

幸い普通の風邪で、見るからに甘そうな液体の薬と解熱剤である座薬をもらって、すずの好きなゼリーを買って帰った。

熱があるからかいつも以上に甘えと夜泣きがひどくて、家事もそこそこにすずと一緒に倒れるように寝てしまった。
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