ごめん。ぜんぶ、恋だった。
X きらきら煌めく
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星の数ほど男はいるのに、
なんできみじゃなきゃダメなんだろう。
――19歳。高校を卒業して一年が過ぎ、私は美容の専門学校でメイクの勉強をしている。
「志乃ちゃん、こっち!」
ふわとろのスフレパンケーキが美味しいと有名なカフェに入ると、仁菜子ちゃんが手を振っていた。
「ごめんね、遅れちゃって」
「ううん、私も今来たところ。あ、足元にカゴあるよ。バッグとコート入れる?」
「うん」
私はラテカラーのチェスターコートを脱ぐ。
季節はあっという間に冬になり、店内には可愛らしいクリスマスのBGMが流れていた。
「仁菜子ちゃん、髪の毛伸びたね」
前に会ったのはたしか秋口だったけれど、仁菜子ちゃんはさらに女の子らしくなっていた。
「志乃ちゃんも今の髪型似合うね!」
「そう?ありがとう」
私は逆に伸ばしていた髪の毛をミディアムヘアにして、今はゆるいパーマをかけている。
仁菜子ちゃんは高校二年になっていた。
まだ明確な進路は決めていないみたいだけど、私と同じで美容に興味があるようで、専門学校に進むことも視野に入れているそうだ。
「専門ってやっぱり忙しい?」
「うちの学校は頻繁にコンテストがあるからそれに向けて練習したり準備したりするのが大変だけど、楽しいよ」
「そっか」
仁菜子ちゃんと私は同じスフレパンケーキセットを頼んだ。運ばれてきたパンケーキは本当にふわふわで、テレビで取り上げられるだけのことはある。