ごめん。ぜんぶ、恋だった。
私がいないとダメになる。
その言葉の意味を、私は痛いほどわかっている。
だって私も柊がいないとダメだから。
「私、柊の彼女になりたい」
「うん」
「なってもいいの……?」
「いいよ。たくさん待たせたけどちゃんと付き合おう。それで、俺とずっと一緒にいて」
「……柊……っ」
大泣きする私のことを柊は優しく抱きしめてくれた。
柊に想いが届くまで何年かかっただろうか。
長くて長くて、どうしようもなく遠かったけれど、もしも生まれ変わってまた柊と幼なじみをやることになっても、私はまた柊を好きになる。
だって、柊に恋をしてない時間なんて、私にはいらないから。
「腹へった。お前が言ってたハンバーグがある店に行こうよ」
私の涙が落ち着くと、クリスマスツリーは赤色に変わっていた。
それは私が柊に恋をしている色に似ている。
「ん」
柊がなんの躊躇いもなく手を出す。私はそれをぎゅっと握って、店があるほうへと歩きだす。
「ねえ、柊。プレゼントに腕時計を選ぶってことが、どんな意味だか知ってる?」
そう聞くと、柊はふっと笑った。
「さあ、どうかな」
こうやって素直じゃない柊のことも私は大好きなんだと思う。
どうか、来年も再来年もずっと柊の隣にいられますように。
私はこれからも、きみと同じ時間を刻んでいく――。