ごめん。ぜんぶ、恋だった。


「そういえばプレゼントってさ、送るものによって意味があるらしいよ」

「意味?」

「指輪は『こいつは俺のものだから他の人は手を出すな』。ネックレスは『相手を独占したい』。ピアスは『いつも自分の存在を感じてもらいたい』。腕時計は『あなたと同じ時間を刻みたい』って、こんな感じにね」

「へえ、面白いね!」

まあ、私はプレゼントなんて男の子からもらったことなんてないけど。


「たしかメイク道具もあるはずだよ。口紅は『あなたとキスをしたい』とか」

「うわ、大人だね……」

自分とは無縁すぎて、聞いているだけで恥ずかしくなる。


「アイシャドウとかファンデはわからないな。まあ、それだけメイク道具をくれたってことは、『俺のために綺麗になってね』って意味じゃない?」

「は、速水くんはそういうこと考えるタイプの人じゃないよ、た、たぶん!」

「隣の席の男の子、速水くんって言うんだね」

志乃ちゃんが意地悪な顔をしていた。


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