～君が教えてくれるなら～

しきりに笑い倒してようやく落ち着いた朝陽くんは「はー。面白かった～」といって私に向き直る。



さっきとは違う笑顔を浮かべて私の目を真っ直ぐ見据えた。




「な、なんすか…。」




そんなに見つめられるとなんだかドキドキしてしまう。




「いいよ。」





その言葉に私は一瞬というか数秒理解が追い付かなかった。



「え、なにが？」



首をかしげて恐る恐る次の言葉を待つ。



「夢中にさせて欲しいんでしょ？」




「あ、はい。………えっ？！」





朝陽くんは私の方に近づき目の前までくるとしゃがみ込み私と同じ目線で




「俺が夢中にさせてあげる。覚悟しといて？」





今までで一番近い距離でそう告げた彼の笑顔はいたずらっ子にも見えるし、


太陽みたいに眩しくも見えた。




本当に何かに夢中になれるなら…




それは君がいいなと少し思った。