~君が教えてくれるなら~
委員会が終わりぞろぞろと教室を出ていく生徒たち。
私たちも教室を出ようとすると朝陽くんがそっと私を呼び止めた。
「羽柴、今日の放課後ひま?」
「え?ひまだけど…」
「じゃあ屋上集合な」
「えっわかった!」
イッチーと美琴には聞こえない声でやりとりをする。
ちょっとドキドキ…
私は教室に戻り鞄を持って屋上へ急ぐ。
見慣れた扉を開くと朝陽くんは先についていた。
「俺のが早かったなー」
「うん、負けた(笑)」
何だかここで話すは久しぶりな気がする。
「羽柴最近元気だった?」
「えっ元気だったよ?めっちゃ元気!」
「そ?全然顔みねーから気になった」
…なになに!その返事!!どういうこと!?
「アイツうるさいっしょ?」
「あーイッチーくん?」
「そうそう(笑)まぁ悪いやつじゃないから仲良くしてやって?」
「もちろん!むしろ仲良くなりたいって思うよ!」
そう言うとちょっと驚いた表情を見せた朝陽くんが嬉しそうに笑って「なら良かった」と呟いた。
そしてばつが悪そうに首に手を当てて朝陽くんが
「てかさ…最近屋上来ないのって俺が前に言ったこと…気にしてたりする?」と尋ねてきた。
「へ?」
_____『俺が夢中にさせてあげる。』
『覚悟しといて?』
不意に思い出した言葉に顔が熱くなってくる。
「いや!!ちがくて!サボったの先生にバレてそれでぬけづらくなったってだけ!」
私が手をブンブン振って「だから全然気にしてない」と言うとハハッと笑って
「なら安心したわ~」と無邪気な笑顔を見せた
「聞きたくても樹たちいるまえで聞いたら羽柴冷やかされちゃうし」
そんなの…私は全然気にしないのに。