~君が教えてくれるなら~

気持ちの確信




一般公開も終盤にさしかかりメインステージではダンス部の発表や軽音部のライブがスタートする。



メイクを終えた美琴たちと一緒に朝陽くんのライブを見に校庭へ向かう。



メインステージに着くと他のバンドが演奏をしている最中だった。



私たちがメインステージの近くでおしゃべりをしているとゆりぞーがあっ!と声をあげ「生成!後ろ!」といって肩を叩く。


くるっと振り返ると朝陽くんたちがステージ裏から私たちに手をふっている。



「いこいこ!」


そう言って皆で朝陽くんたちの方に向かった。


「俺らこの次なんだ~♪」
イッチーがいつもと変わらないテンションで話す。


「なに歌うのー?」


「それは秘密ー!」


「てか!織田くんギターなんだ!(笑)」


「おい、バカにしてるのか!」


「ちょい~織田っちは俺と一緒にギターなんだら~バカにせんで!」


「響くんはドラムって感じする~!」



美琴たちがイッチーたちと盛り上がってるなか私は朝陽くんの側に行き「ライブ楽しみにしてるね!」と声をかける。


「おう!ありがと、来てくれて」


「そりゃ来るよ!だって……」



「だって?」



「なっ何でもない!」



「ふっなんだよそれ(笑)」



「one trigger の皆さんスタンバイお願いしまーす!」

実行委員の先輩に呼ばれ「はーい」と返事をする皆。


「じゃあな、ちゃんと見といてな!」
そういって私の頭をポンッとすると朝陽くんはいってしまった。




朝陽くんのさりげない行動にいつもドキドキする。



「生成!行くよ!」


「うん!」



美琴たちのステージの方に向かい朝陽くんたちの出番を待つ。



前のバンドの演奏が終わり朝陽くんたちがステージに出てきた。



「朝陽くんかっこいい~」


「え~響くんの方がイケメンだよー!」


後ろの女子たちの話し声が聞こえてくる。



「ちょっといいの?生成!反抗しなきゃ!」

小声で耳打ちをしてくる美琴。


「いやいや、しないし(笑)」


でも確かに…朝陽くん目当てでお店に来る人もいるって言ってたし、朝陽くんって結構モテるんだなぁ。





「え~皆さん来てくれてありがとうございます♪俺らone triggerってバンド組んでる4人組でーす!拍手っ!」



準備を終えたイッチーが挨拶を始める。



「今日演奏する曲は俺の横にいる朝陽がやりたい!っていって練習した曲です!それでは聴いてください♪」



そういってイッチーが3人と顔を見合せ演奏が始まった。



~♪~♪



あっ…この曲…。



朝陽くんと初めて出会った時、朝陽くんが歌っていたあの曲。



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