~君が教えてくれるなら~
朝陽くんの歌声があの時と重なり私の心に真っ直ぐ響く。
低くて心地いい、朝陽くんの歌声。
「朝陽くんって歌めっちゃ上手いんだね~!」
「ね!てかイッチーも意外と歌上手い!」
盛り上がってる3人の声が聞こえてるようで聞こえない。
今は朝陽くんだけしか目に入らない。
時折他の3人と目を合わせて楽しそうにベースを弾く朝陽くんの笑顔がキラキラしていてドキドキする。
___もし君と別れるようなことがあっても
きっと僕はまた君を見つけるよ。
____そして飽きるくらい抱き締めて
君に嫌と言われるまで伝えよう。
______ありったけの想いを
この歌声と共に…_______
最後のフレーズを歌い終えた朝陽くんとパチッと目が合う。
朝陽くんは今まで見たものとは違う優しい笑顔を私に向けた。
あぁ…そっか。
たぶん私、屋上で初めて朝陽くんに会ったときから感じてたんだ。どこかでこの人のこと好きなるって。
それが今朝陽くんの笑顔を見て確信に変わった。
私、朝陽くんのことが好き。
『俺が夢中にさせてあげる』
その言葉の通り、私は君に夢中になってしまった。