~君が教えてくれるなら~


芝生をゴロゴロしながら私が持ってきたお菓子を皆で食べているとふと校庭を見ていたまりりんが黄色い悲鳴をあげた



「えええー!校庭でサッカーしてるの遠山先輩じゃん!!」


遠山…??誰だそれ。



「え!?マジ??」

ゆりぞーと美琴もまりりんの言葉に反応して校庭を覗き込む。



「やばっ!カッコいい~!!」



「ねぇ、誰それ~」


私の言葉によほど驚いたのか3人が一気に私の方を振り返り詰め寄ってきた。



「生成!あんた遠山先輩しらないの!?」



「え、知らない。」



「2年生にしてサッカー部のエースの!遠山先輩!!知らないの!?」



「うん…」



「サッカーだけじゃなくて顔もちょーーかっこよくて高身長のモデル体型の完璧な遠山先輩知らないの!?」


「まじ知らん。」



私の言葉にやれやれとした表情の3人。


「まぁ、生成はそれでこそ生成だ。」


美琴に肩をポンと叩かれそのまま3人が並んで校庭を見ていた場所まで連れていかれる。



「ほーら。あの3番のゼッケンつけてるのが遠山先輩だよ~。」まるで5歳児を扱うかのような話し方をする美琴。

「タダでイケメン見れるチャンスだぞー。」それを真似するようにゆりぞーが私の耳元で話す。




まぁ、背は高くてスタイルはいい、と思う。


そうか。あれが皆の言うイケメンになるのか。


「…あ~なるほどね、うんうん。」


勝手に自己解決した私に、


「えっ!あんた何様!?」とびびるゆりぞーと美琴。


そんな私たちの茶番を無視してまりりんは双眼鏡をしれっと使って遠山先輩を見ていた。



「…え、まりりんなんで双眼鏡?なんでもってるの?」




「遠山先輩をいつでも眺められるように、
あ、私遠山ファンクラブの会員だからさ!」



遠山ファンクラブなんぞがあるのか…!?




「まりな、それ詳しく聞かせて。」



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