~君が教えてくれるなら~
そのあとも告白タイムは続いていき
フラれる人もいれば見事告白が成功しカップル成立する人もいた。
『さて続いての方ステージへどうぞ!』
司会の声とともにステージに上がったのは1人の女の子だった。
『はい!告白したい方は誰ですかー!』
その子は顔を赤らめながらもステージ下にいる友達に応援されながら喋り出す。
『えっと…入学当初からずっと気になっていました。1年5組の古瀬朝陽くん…です』
えっ?!
嘘…でしょ。朝陽くんて…
体がズンっと重くなる。
「ちょっ生成!!」
美琴たちも驚いた様子で私の体を揺さぶる。
「ヤバいじゃん!ライバル出現!?」
『えー!それでは古瀬朝陽くんステージまでどうぞー!』
ザワザワする中遠くにいた朝陽くんがステージまで走ってくる。
「あーあ朝陽ずりぃ〜」
近くにいたイッチーが口を尖らせているが私は気が気ではない。
『はい、では古瀬朝陽くんお返事をどうぞ!!』
司会者が朝陽くんにマイクを渡す。
朝陽くんは困った様子で頭をかきながら
その子の方を向く。
怖い、どうしよう。逃げ出したい。
好きって自覚したばっかりなのに…。
自然と手に力が入ってしまう。
『え〜、まずありがとう。だけど俺にはいま夢中になってるものがあって。今はそれだけに集中したいから。だからごめんなさい。』
その子の目を見ながらハッキリとでも穏やかに答えた朝陽くんにその子は涙ぐみながらも『ありがとう』と答えた。
ホッとした安堵からか体の力が一気に抜ける。
それと同時に焦りも。
「おい〜生成生きてるかぁー!」
美琴に言われてハッとした。
「う、うん。」
朝陽くんはカッコいい。だからきっと私に以外にも想いを寄せる人はいるだろう。
だけど目の前でこう見るとさ、
ちょっとキツい。
それにもし私が告白しても同じようにフラれるかもしれないと思うと怖くなる。
でも想いを伝えたあの子は私より凄い。
私はまだそんなこと出来ない。