~君が教えてくれるなら~
私は少し場を離れるためトイレに向かった。
その帰り「あー!君!文化祭実行委員だよね!?」と女の先輩に声をかけられる。
「え、はい!」
「ごめん、本当は後夜祭は3年の担当なんだけどさちょっと忙しくって手伝ってくれない?」
「わかりました!!」
「ありがとー!助かる!!じゃあちょっと実行委員のテントまでこれ一緒に運んでくれる?」
「了解です!」
そう言ってダンボールに入った小道具を持ち先輩の後をついていく。
よかったぁ〜。これで気が紛れそう。
実行委員のテントはステージ裏に設置されている。
「ふぅ〜助かったぁ。ありがとう!」
「あ、はい!まだやることありますか?」
「え!まだいいの?じゃあちょっとお願いしちゃおうかな!」
「はい!なんなりと!」
そうして先輩とお話をしながら作業を進めていくとステージの方から司会の声が聞こえて来る。
『えー!それでも最後の方告白したい相手のお名前をどうぞ!』
『はい。2年3組の遠山駿くんです!』
その言葉にステージの向こうがザワザワしている。
「うわぁ遠山くんに告白するとか凄い勇気。」
「先輩は遠山先輩のことカッコいいとか思わないんですか?」
「まぁ、カッコいいとは思うけどね?彼氏が1番かなぁ〜」
「えぇ!素敵!先輩彼氏さんいるんですね!」
「いるよ〜!去年卒業した1個上の先輩。」
「どっちから告白したんですかー!」
「やだー!恥ずかしいよ!」
「えー!いいじゃないですか!今後の参考に教えてください!」
ステージで行われている告白タイムそっちのけに私と先輩は恋バナに花を咲かせていた。