~君が教えてくれるなら~



まぁ、そんなこととはつゆ知らず



私は相変わらず先輩と楽しく話しながら作業をしていた。





「お!これで一通り終わったかなぁ!」



『続いてはフォークダンスに移ります!』



「あ、ちょうどいいタイミングですね!」



「ありがとねぇ〜ほんと助かったよ!」


「いえいえ!先輩と色々話せて楽しかったです!」



そんな話をしているとステージから降りてきた誰かが「あー!羽柴ちゃんだー!」と声をかけてきた。



誰かと思い振り向くと…



遠山先輩だ!!!!!



ん?てかなんで私の名前知ってるんだ?



「えっ、はい!」



「いやー!俺さ、羽柴ちゃんとお話してみたかったんだよねぇ」



「え?な、なんででしょう…」



「んー?何となく!なんか気になっちゃってさ」



なんだこの人!よくわからん!!!



「だからこれから仲良くしてね?下の名前は?」



「あ、きなりです。」



「生成ちゃんね、名前も可愛いんだ!」



「へ?」




「あー!いたー!!ちょっと駿どういうことー!?」


「気になる人とか聞いてないしぃ!!」



大勢の女の先輩たちが遠山先輩に詰め寄って来る。



「え?あの言葉のまんまだけど?」


「はぁ!?なにそれ〜!誰なのよー!」


なんだかよくわからんが…


よしっ!今のうちに逃げよう!


私はタイミングを見計らってそそくさとその場を退散した。



「ちょっと駿聞いてるのー!?どの子なのよ!気になってる人って!」



「んー?」


遠山先輩は生成のことを目で追いながら



「可愛い子…かな?」



ニッと笑って告げた。




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