~君が教えてくれるなら~



「ふぅ〜…」


遠山先輩のもとから逃げてすぐ美琴たちの元に戻った私はさっきの出来事を言えずにいた。



というのも………



まりりんが酷く落ち込んでいるからである!!!!



フォークダンスの時も1人だけ心ここに在らずだったし。



理由はさっき美琴たちから聞いたけど。まぁ…そりゃ落ち込むよね、

私なんか朝陽くんが告白されてる所見ただけで落ち込んだんだから。



まりりんを心配しながら私たちは教室へと戻る。



教室に入るとおがちゃんが「帰りのHR軽くすませちゃうよーん」と教壇に立った。




「いやぁ〜皆お疲れ!どうだった?初めての文化祭!楽しかったかい!?」


誰よりも楽しんだ様子のおがちゃんがニコニコしながら私たち生徒を見渡す。



「どんな経験も皆にとっては大切な思い出になるからねぇ〜。高校生の1分1秒は無駄にするな〜!気づいたらあっという間なんだからね!いや、ほんとマジあっという間だから!!!!」


教壇の机にドンっと手をついて勢いよく喋るおがちゃん。



「おがちゃん珍しくいい事いうじゃーん!」



そう言ったクラスの男子の言葉に皆が賛同する。



「まぁね?ということで!青春真っ只中の君たちはお勉強も本分なので!そこは忘れないよーに!てことで今日はお疲れ〜、はい!解散!」



え〜という生徒たちをよそにおがちゃんがパチンと手を叩く。



これがいつものHR終了の合図。




「はーい!打ち上げカラオケ行く人〜!」


今度はクラスの男子たちが教壇に立ち大声で私たちに声をかける。



半分以上のクラスメイトが「いくいく〜!」と手を挙げている。



「もち、うちらも行くっしょ?」


美琴がルンルンで手を挙げる。



「行く行く〜!てか悟〜!予約してあんのー?」



ゆりぞーもノリノリみたいでクラスの男子たちに声をかける。


もちろん私も行く気満々なんだけど…



「まりりーん…生きてる?」



私が体を揺さぶっても声が返ってこない。



「まりりんまだ魂抜けてんだww」


「そうとうショックだったんだねぇ〜」



私の声に反応したクラスの女子たちもまりりんの様子を心配して近づいてくる。


そこに美琴とゆりぞーが戻ってきて



「おい!!真梨奈!!!(まりりんの本名)いつまでヘコんでんの!!!!」



「そうだよ!!!気になってる人が誰かもわかんないじゃん!!!」



2人がまりりんの肩をガシッと掴み無理やり机から起き上がらせる。



そして私がまりりんの手を掴み

「そーだよ!!まりりん!!てかもうさ!そういう時はカラオケでバカ騒ぎして1回忘れちゃお!!!」と言うとまりりんはバッと席を立ち



「……………そう、、だよね!?よっしゃーー!そうとなりゃカラオケオールじゃぁぁあ!」と拳を上に突き上げた。



「おーー!!それでこそまりりんだー!」




こうして何とかまりりんを元気づけた私たちは打ち上げ会場のカラオケ店まで向かうことにした。


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