~君が教えてくれるなら~
そう…私。羽柴生成……。
くそ〜!今日こそは勝てると思ったのに…。
勝者の2人に見送られ私はジリジリと焼けるように暑い外へと出てきた。
家から一番近いコンビニに着き私は生気を取り戻す。
コンビニ涼しすぎ!はぁ快適…
意気揚々とアイスのコーナーまで行きどれにしようか悩んでいると
「あれー!こんなところにきなっちー!!」
聞き慣れた声がして顔を上げると
「え!!イッチーじゃん!久しぶり!」
「おひさー!何かめちゃくちゃ久しぶりに会う感じすんね〜!」
「本当だね!てかイッチー家この辺だっけ?」
「ううんー!今日は朝陽たちと楽器屋行ってたのー!あ、てか朝陽たちもいるよんー!」
「え!!あ、そうなの!?」
やばいやばい朝陽くんいるの!?
どうしよう…めちゃめちゃ部屋着……恥ずかしすぎる…
アイスを買ってイッチーと一緒にコンビニを出ると朝陽くんと織田くん響くんが少し離れた木陰の下で待っていた。
「皆見て見てー!!きなっちいた!」
イッチーに腕を引かれ3人がいる所まで連れていかれる。
うぅ…オシャレして来れば良かった…
「羽柴!久しぶり!」
朝陽くんが爽やかな笑顔を私に向けた。
初めて見る私服姿にドキドキする。
「久しぶり!元気だった?」
ドキドキがバレないように平然を装う
「元気!てかほとんどコイツらと一緒にいる笑」
「同じ!うちも美琴たちとばっか会ってるよ〜笑」
学校とは違う場所で会うってなんだか不思議な感じ。
でも嬉しい…!!じゃんけん負けてよかった私!!
「なーんかさ夏休みらしいことしたくなーい?」
イッチーはコンビニで買ったアイスを頬張りながら喋る。
「確かに、俺ら集まってもバンドの練習かゲームだもんなぁ」
響くんもイッチーの言葉にうんうんと頷く。
「きなっち!夏といったら何したい?」
イッチーのいきなりの質問にうーんと少し考えた私は
「海!とかあとはお祭りとか〜あと花火もしたいかな!」
「いいねー!!俺たちも海行きたーい!な!織田っち!」
それまで私たちの話を黙って聞いていた織田くんは「女子もくるならいってもいい!」
となぜか上から目線で答える。
「織田っちぬかりないな〜!じゃあきなっちのいつメングループと俺たちでいこーぜぃ♪」
イッチーの提案に「え!!」と私が声を上げる
「いいっしょ?きなっち!」
イッチーと織田くんが目を輝かせて私を見ている。
「も、もちろん!!美琴たちにも言っとく!」
そう言って朝陽くんの方をチラッと見ると目が合って「楽しみだな!」と笑顔を向けてくれた。
「うんっ!!」
夏休み。朝陽くんとまた会えるんだ!!
嬉しすぎて顔が綻んでしまう…
ピコンッ
あ、お兄ちゃんからLINE…
『生成さん。アイスまだですか〜🙄』
「ヤバっ!アイス忘れてた!!」
「お!じゃあそろそろ行くか!日程はまた決めよ〜♪」
「うん!了解!じゃあ皆またねー!!」
そう言って朝陽くんたちに別れを告げて私は家へと急ぐ。
はぁ〜…朝陽くんと海!!!
最高に楽しみだあ!!
ルンルン気分で私は帰路についた。