~君が教えてくれるなら~



「てかこの曲しってんだ!」



「うん!ちょっと昔のバンドだよね!お兄ちゃんが好きでたまに聴かしてくるの!」



「へぇー」


成り行きで彼の隣に腰をおろした。



「てかサボり?(笑)」



ギクッ



「えっ、そーだけど。てかだったら君も!……あ、君とか言ってもしかして先輩…?」




「んっ」私の言葉に彼は自分の上履きを指差す。


「青だからタメっしょ」




「ならよかった~。名前は?なん組?」




「古瀬朝陽(ふるせあさひ)。5組。」



「5組かー!私は1組!羽柴生成!よろしくね!」




「きなり、ね。覚えた。」



そう言ってまたさっき歌ってた歌を口ずさみ始めた朝陽くん。



私はまだここにいていいのかも分からず、彼が何でここにいたのかも知らず。




ただ朝陽くんの歌声が心地よくてそれを聴いていたいからその場から動かずに耳を澄ましていた。




< 7 / 51 >

この作品をシェア

pagetop