【短編】幼なじみの独占欲

「ねえ、何か昨日から怒ってない？」



『別に。』




昨日何かしたっけ？



あ、もしかしてちー君と一緒に帰ってるのにぼーっとしてたのがいけなかったのかな？




はぁ。




誰か助けてくれ〜。




「おー！ゆきちゃん！おはよう！この時間に通学路で会うの初めてだよね。」



「おぉ、山下くんおはよう！いつもはもう少し遅めだからかな？」



「確かにいつも学校来るの遅いもんなぁ。あ、小野もおはよう！」



『はよ。』



相変わらず無愛想だ。



いつもは元気だし、クラスの中心にいるような人なのに。



「……なぁなぁ、もしかして喧嘩？」



と、山下くんが私の耳元で囁いた。




「喧嘩っていうか、ちー君が怒ってるだけなの。何でかはわからないんだけど。」