ご利益チョコレート
チョコレートを貰うことさえ煩わしかった?
冷たく返された言葉に心が凍る。
わたしの想いはそんなに迷惑だったのかーーーー。
「過去形で好きって言われてオレが喜ぶと思った?」
だって進行形で告白したら国島さん、困るでしょう?
「セクハラ以来、オレが気を遣って触れないようにしてたのに、アイツには怪我してるからって簡単に抱き上げられて平気な顔どころか喜んでるし」
伊吹のこと?
「だったらオレだって触れてもええよな?」
国島さんの右手がわたしの頬に伸ばされる。
「あ、あかん!」
思わず国島さんの手を振り払った。
国島さんの纏う空気の温度が3度くらい下がった気がするけれど、そんなこと構っていられない。
「く、国島さん、他に大事な人が居てはるのにこんなんあかん!裏切ったらあかん!」
「はあ?!」
今度は振り払う間もなく、両手で顔を挟まれて固定される。