ご利益チョコレート
合意?
「詩史ちゃん、俊祐は粘着質で執念深くて計算高くて、一見イケメン風だけどよく見たらそうでもないのよ?仕事はできるけど」
「…………?」
「そして実はオッパイ好きの変態だからね、うっかり絆されたらダメだから」
多田さんの言うことがよく分からない。
結婚相手のことなのに何でこんな悪口……?
「お前マジで帰れ!!」
半ばキレ気味で国島さんが多田さんの背中を押してリビングから出した。
多田さんが帰ってしまう?
わたしがここに残って?
「西林」
ゆっくりと国島さんと視線を合わせると、困ったように笑った。
「答え合わせしよか」
さっきまでの冷たい気配が国島さんから無くなって、隣りに座る。
「答え合わせ……?」
「そう」
また両手で頬を挟まれて、国島さんの方に向けられて、今まで見たことがないような甘さを瞳の奥に見つけて困惑した。
「諦めんといて」
「……は……?」
「諦めんとこれから先も、ずっと好きでいて」