ご利益チョコレート
「何がや?」
美味しい日本酒が飲める隠れ家みたいな店があると仕事終わりで無理矢理引っ張ってこられて、多田がオレをジロリと睨む。
「身内から犯罪者だけは出したくないの」
「そんな可能性があるヤツいんのか?」
「アンタよ!」
「はあ?」
「アンタ、詩史ちゃんのことどうにかしようと思ってるでしょ!あのね、権力をふりかざして関係を無理強いしたり、さり気なく身体触ったりすんのアウトだからね!」
「してへんやろ、そんなこと!」
「いや、大学時代から歴代彼女を見てきたわたしにはわかる!みんなみんな巨乳で可愛らしいカンジの子ばっかり!詩史ちゃんドンピシャ!どストライク!」
変に鋭いからコイツは嫌いだ。
「オレの趣味嗜好に難癖つけんなや」
「詩史ちゃん素直で可愛いからアンタの毒牙にかけるわけにはいかないの!手を出す前にちゃんと申告してよ?全力で守るから」
「めんどくせぇ、お節介ババアか、お前。兄貴、趣味悪」