ご利益チョコレート


「は?悠祐(ゆうすけ)さんは一見クールビューティなのに優しいキミが好きって言ってくれるもん」


…………堂々とノロけてやがる。


「…………スーパーエースカップのどこがええんだか」


悪口は小声でもちゃんと聞こえるらしい。
思いっ切り頭を殴られた。



そんな多田の心配が現実になる。
その相手はオレではなかったけれど。


同性ではないということがハードルが高かったのか、多田に部長のセクハラを相談した西林に少し腹を立てる。


オレがどんなことをしたって守ってやるのに。


揶揄いながら、厳しく指導しながら、時に甘やかして、オレに堕ちてくるように仕向けていたのに。


部長に襲われているアイツを見たとき、瞬間的に頭に血が上った。多田がいなかったら多分殴り倒していただろう。


西林はオレのモンだ!


そんな騒ぎがあった後、西林は元気そうにしているものの、僅かに男に対して身構えているように見えた。
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