ご利益チョコレート


「好きでした」


辛そうに目線を微妙に合わないように逸らしながら過去形で告白をされた。


なんで過去形?


西林が許せなくて、無理矢理自宅に連れ帰った。


触れようとすると拒絶される。
さすがのオレも心が折れそうだ。


おまけに途中で志保子が乱入し、西林が土下座で泣き出し、もう何が何だか……


それでも、状況を一つずつ、縺れた糸を解すように整理していくと、残るのは相思相愛の事実のみ。


可愛い過ぎる西林が手に入り、踊りだしたいくらいの心境だ。


たどたどしくキスに応えるところも、この腕の中にちんまりとおさまるところも、全てが愛しい。



オレは手に入れた幸せは、絶対に手放さないから覚悟してもらおうーーーーーー。





これは普通のことなのだろうか?

バレンタインが終わり、毎週末、国島さんの家で一緒に過ごす。
仕事は早く、正確、緻密、超優秀。
お付き合いに於いても、さっさとわたしの両親に『結婚を前提に』と了解を取り付けた。
< 35 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop