ご利益チョコレート


外堀がザクザクと埋められているような気がする。

いや、好きだからええんやけども。


「……あの、国島さん?」


「俊祐」


「し、俊祐さん」


「何?」


「これ楽しいんやろか?」


「至福」


ソファーに半分寝そべるような形のわたしの足元に座り、胸に顔を埋める国島さん。


「息、苦しくない?」


「窒息するならそれも本望」


……『おっぱい好きの変態』と、多田さんの言葉がプレイバックする。


確かにーーーーーー。


「……俊祐さんは大きい胸が好きなんですか?」


付き合いだしてすぐ抱いた疑念。


ピクっと胸の上にある頭が動いて、すっと上げられた。


「小さいより大きい方がええ」


まさか胸だけ…………?
と暗い思考に陥りそうになっているとムニッと頬を摘まれる。


「胸が大きいだけでお前を好きになった訳ちゃうぞ。好きになったお前の胸がたまたま大きかっただけや」

ソファーの上のわたしに覆い被さるようにして、顔が近付いてきた。
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