ご利益チョコレート


眼鏡の奥、形の良い瞳が細められている。

2人っきりの時、甘えるように身体を寄せて、触れられるのが好きだ。


最初は軽く、だんだん深くなる、優しくて少し淫らな国島さんのキスが好きだ。


キスの合間、国島さんがそういえばと口を開いた。


「お前んち、生活スペースでは線香の匂いせえへんかったけどなんかもらったチョコレートからほんのり線香の香りしたわ」


あ、やっぱり?


仏様のお下がりやからね、ご利益たっぷりなんよ。


クスクス笑いが止まらない。


「なんや?」


不思議そうにわたしを見る国島さん。



うん、そのうちね、話してあげるね。
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