ご利益チョコレート
「明日?バレンタインか、そっか、そっか。決戦の日やね」
「そうです」
「勝算は?詩史ちゃん」
さっきまでは小指の先程の希望を持ってたのに。
「うーん……限りなく0に近いので辛い日になりそうかな」
今も辛いけど。
「なんでー、詩史ちゃん良い子なのにー」
グリグリと頭を撫でられる。
「ふふっ、また今度残念会してくださいね。失礼します」
顔を見ると涙が零れそうで、国島さんに敢えて視線を向けず、バッグとコートを持って足早にオフィスを出た。
明日、頑張ろうと思ってた。
2年も温めてきた恋心だった。
告白する前に失恋なんて、もう笑うしかない。
なけなしの勇気を振り絞ろうとしてたのにな。
ホントにホントに、大好きやったのになーーーーーーーー。