忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
「フェアディー。さっき言ったことが、本当であっても嘘であっても。それは、私には問題ではないよ。貴女が今まで、どんな生き方をしていても。どんな人であっても、私は全て許して受け入れる。私は、私の感じたフェアディーを信じている。それだけだよ」
「…優しい人なんですね…。亡くなった奥様、すごく幸せだったと思います」
「ああ、幸せだったってずっと言ってくれたよ。だから、生きている私にもう一度恋をしてもいいと言ってくれたよ」
スッとフェアディーの頬に、涙が伝った…。
その涙を忍はそっと指で拭った。
「正直な気持ち、教えてくれる? 私の事を、どう想っているのか」
「…好きです…私も…」
素直に答えたフェアディーは、そっと忍を見つめた。
目と目が合うと、忍はそっと微笑んだ。
「有難う、教えてくれて」
そっと額と額をくっつけて、また微笑んだ忍。
間近で見ると、忍は笑えば目じりにシワができるし、髪には白髪も混じっている。
でも…
そんな忍でも、フェアディーは見ていると幸せな気持ちになれる。
ずっと一緒にいたい…
許されないけど…一緒にいたい…。
フェアディーはそっと目を閉じた。
「今夜だけ…一緒にいます。…今夜だけでいいです…忍さんの、お嫁さんにして下さい…」
「今夜だけじゃない。この先ずっと、私のお嫁さんでいて下さい。命ある限り、全力で幸せにしますから」
そっと唇が重なった…