忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
中編
1年後。
季節は秋になった。
ちょっと寒さを感じる10月も中旬になった頃。
忍はあれから、駅前でまたフェアディーに会えると信じてずっと探しているが全く会う事が出来ないままだった。
月が綺麗な夜には夜空を見上げてみたり。
歩道橋の上でじっと待ってみたり。
もう忘れるしかないのかと思った事もあったが、忘れることはできないままで1年が過ぎてしまった。
ずっと1人で暮らしている忍に、息子の夏樹が一緒に暮らさないかと言ってきたが。
忍は1人がいいと言って断っていた。
だが何となく元気がない忍を心配している夏樹は、休みの日には様子を見に行っていた。
宗田ホールディング自社ビル。
なんだか朝からエントラスが騒がしいしのぶ 今日は会議があるため、忍は出勤してきた。
騒がしいエントラスに、忍は驚いていた。
「どうしたんだ? 」
近くにいた男性社員に忍は声をかけた。
「会長、おはようございます」
「おはよう、どうかしたのか? 」
「受付の待合室に、とっても不思議な赤ちゃんがいるそうです」
「赤ちゃん? 」
何事かと、忍が様子を見に行くと。
「可愛い赤ちゃんね」
「珍しいね、綺麗なブロンドの髪みたい」
「外国人の子供? 」
「でも顔立ちは日本人みたいよ」
「色白なのね~」
女子社員が、赤ちゃんを抱っこして喜んでいる。