忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
「素敵なお名前ですね。外国の方ですか? 」
「あ…はい…ちょっと、見学に来ていまして…」
「そうですか。随分と日本語がお上手なのですね」
「あ…はい…」
「あの、せっかくお会いできたのですから。お茶でも飲みませんか? 」
誘われたフェアディーは、とても驚いた目を向けた。
ふと、忍はフェアディーの足元を見た。
素足のフェアディーを見て、そっと微笑んだ。
「すみません。ここから動かないで、5分だけ待っていてもらえますか? 」
「5分ですか? 」
よく判らない顔をしているフェアディーに、忍は腕時計を外して渡した。
「今、夜の7時を指しています。この長い針が1の所を指すまで待っていて下さい」
「はぁ…」
「いいですね? 待っていて下さいね」
忍は走って行った。
残されたフェアディーは、時計を見て不思議そうに首をかしげた。
高級そうな金色の腕時計。
なんとなく見ているとワクワクしきたフェアディーは、秒針を見て長い針が動いて行くのを楽しそうに見ていた。
長い針が1を指す頃。
「お待たせしました」
忍の声が聞こえて、フェアディーはハッとなった。
「待っていてくれて有難う。はい、これ」
大きめの紙袋から、可愛い白いパンプスを取り出し忍はフェアディーに渡した。
「靴、履いてないだろう? これは履いて」
足元に靴を置いてもらうと、フェアディーは素直に履いた。
パンプスを履くと、ちょっと背が高いフェアディー。
初めて感じる感覚なのか、フェアディーは不思議そうな顔をしている。