忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
「気に入ってくれたようだね。良かった」
満面の笑みを向けてくれる忍を、緒と頬を赤くしてフェアディーは見ていた。
「これで安心して歩けるね。お腹空いてないか? 」
そう言われると…
グーッとお腹が鳴ったのをフェアディーは感じた。
「ご飯食べに行こう。美味しいお店あるんだ、一緒に行こう」
忍はフェアディーの手を引いて歩き出した。
そのまま駅前のレストランに入り、忍とフェアディーはディナーを楽しんだ。
おすすめのステーキを注文して一緒に食べていた。
フェアディーは初めて見るような目で、嬉しそうに食べていた。
そんなフェアディーを見ていると、忍は幸せいっぱいの気持ちになってきた。
デザートまで一緒に食べて、他愛ない話をしているのに何もかも新鮮で。
話している中でフェアディーの年齢が25歳であること知って、忍は驚いていた。
随分と若い人に声をかけてしまったと、ちょっとだけ恥ずかしい気持ちが湧いてきた忍だが。
フェアディーとの時間は最高に嬉しくて。
忍のハートも喜んでいるのを感じた。
食事が終わり、店を出て。
「今日は突然誘ったのに、こんなおじさんに、付き合ってくれて有難う」
「おじさんだなんて、思っていません。楽しかったです」
「そう言われると嬉しいよ。家はどこ? 送って行くから」
「いえそれはいいです。また、お会いできましたらお願いしますね」
「あ…そっか…」
初めて会った人に家は教えないよなぁ…
忍はちょっと苦い笑いを浮かべた。
「では、またお会いできるといいですね。素敵な靴、有難うございます。…忍さん…」
忍さん…
そう呼んだフェアディーの表情が、とても清らかに輝いていて。
忍は暫く見惚れてしまった。