窓縁と悪魔



『おい あいつ“罰”だってよ』


『さすがにやりすぎたんじゃ…』


『しっ 黙ってろ』


そんな内緒話が聞こえてきた


あれほどのことを私にしてきて 今更何をいっているのかしら


そして院長から明かされた “罰” の内容 それは


孤児院から3つほど離れた 集落も村も何も無い山奥にある


孤独の塔


とディア帝国の国民から呼ばれている 山奥にそびえ立つ 大きな城のような塔がある


そこの敷地に“罰”を受ける子供を3日ほど放置するというものだった


三日三晩 食べる物も飲む物も与えられず過ごさなければならないということだ


「お願いします!それだけはご容赦ください…!」


「もう無理だよ カンナ お前が悪いのだから 存分に反省するがいいさ」


私は何もしていないのに…!どうして私がこんな目に合わなければいけないの…!?


張り詰めていた心の糸が切れて せき止められていた涙が止まらなかった


私の頬をぽろぽろと涙が伝って地面に落ちる そんな私に院長は慈悲なんてない


「さあ カンナ 用意をしなさい 今から行くのよ」


そうして私への“罰”はとうとう実行されたのだ。





< 4 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop