窓縁と悪魔



そうして連れられてきた孤独の塔は噂で聞くよりも


はるかに大きく そして禍々しく 天に一直線にそびえ立っていた


この建物は悪魔族が存在していた と言われる時代からの建築物らしい


今は廃墟扱いを受けているそうだ


「ここでお前は3日過ごすんだよ よく反省するんだよ いいね?」


そして私は孤独の塔の敷地内へととうとう置いていかれてしまった


時刻は夕方 塔の真上の空はとぐろを巻いたような大きな雲があり そのせいかあたりは真っ暗だ。


鳥や動物たちの影もない


山奥には人狼族やエルフ族が住んでいるといわれている


エルフ族たちはまだしも もし人狼族に出会ってしまったら…!


私は食べられてしまうかもしれない…そう思うと足がすくんで身震いしてしまった


そして今の季節は秋頃で 本格的な冬に入ろうとしている時期


草木の紅葉は終わりを迎え あちこちの木々も植物も枯れている…


…とりあえずこの状況をどうにかしないと 私が少し凍え死んでしまう


ポツリ ポツリ………ザーーーーッ


雨だ しかもわりと強いめの。


衣服と髪の毛はしっかりと雨の水を吸い取り 私はぐっしょりとぬれた。






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