窓縁と悪魔



「あの…お風呂ありがとうございました」


「あぁ もう出たのかい 夕食も君の分を作ったんだ口に合うか分からないけれど 良かったら食べて」


そして食卓へと案内された 机の上にはとても美味しそうな料理が並べられていた


「これ全部あなたが作ったんですか!?」


色とりどりの野菜が使われたドレッシングのかかったサラダ ソーセージと野菜でできた具がたっぷりのコンソメスープ メインディッシュはふわふわの卵でとじられたオムレツ パンの入ったバスケットが食卓にはならんでいた


「そうだよ どうぞ座って 食べながら色々話そう」


私と男は席にかけて彼の作った料理を食べ始めた


「あの…どうして勝手に敷地に侵入したような私のことをこんなにも匿ってくれたんですか?」


ほんとは勝手に敷地に侵入したというより 強制的にさせられたんだけど。


「うーん 久しぶりのお客さんだからかなぁ…100年ぶりくらい? …あれ そんなにはあいてなかったかも…?」


「ひゃ 100年!?」


びっくりしてスープをすくっていたスプーンを落としかけた


「いや〜僕もうろ覚えなんだけどさぁ…それに侵入されても盗まれるようなものも無いし もし盗みにはいられてもすぐに気づくから追い返すしね」


「はぁ…なるほど…」


とりあえずあいづちは返すものの驚きすぎて返す言葉がない


確かに種族によっては長生きな種族もいるけど…100年なんて噂には聞いていても 会うことなんて滅多に無いしな…


あっ でも院長は300歳越えっていう話は聞いたことある…


「それに 君からは盗みを働くような感じはしなかったし こんなに雨が降ってる中ほっておくワケにもいかないでしょ?」




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