TWO YEARS
「ここからは、僕のひとりごとだと思って聞いてくれていいよ。約束だなんて思わなくていい。君を待たないし、縛るつもりもない。けど・・・2年後の6月15日、この場所に僕はいるから」

「悠っ・・・」

裕也の唇がそれ以上言わせなかった。ずっとこうしていたい・・・美月の想いは叶わず、悠也はゆっくりと身体をはなした。

「元気で・・・いろよなっ」

悠也の目に光るものがあったのは、美月の見間違えではなかっただろう。

「うん。悠也も」

「明日、何時の飛行機?」

「13時、かな」

「見送りには行かないから」

「うん。これで、充分」

「じゃあな」

「うん」

悠也が去っていく。3年間、友達で、たった3ヶ月間の恋人。
もし、あたしが、もし、悠也が、もっと早く友達の枠から抜け出そうとしていたら、2人には違う未来があったんだろうか。分かっている。そんな、「もし・・・だったら」を考えても意味のないことを。
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