TWO YEARS
2年後、僕はカレンダーを見ながら、6月15日が来るのを今か今かと待っている。僕は今、聖央大学の国文学部にいる。サークルは、友達の西田に誘われたテニスサークルに所属しているが、あまり顔を出していない。

なのに・・・この、佐々木順子は、僕が気にいっているらしくて、モーションをかけてくる。普通の男子なら、くらっとくる美貌の持ち主だ。だが、僕は興味がない。それが、彼女の勘に障るらしく、ボディータッチなどをしてくるものだから、困ったものだ。僕の心は2年前のままだ。

「天野くん?今日、サークルのあと、つきあって?」

「今日はダメだ、絶対」

今日は、約束の6月15日だ。

「僕は今日、特別な人と会う。君のことは恋愛対象としては見れない」

順子の呆気にとられた顔。そして、涙顔になった。でも、僕は彼女の涙は拭いてあげられない。
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