TWO YEARS
6月15日(土)午前10時。美月はあの公園にいた。

ちょっと早く来すぎちゃったかな。あと、悠也くんに彼女がいることも想定しなきゃね。「1人で」来るとはひとことも言ってなかったし。

1時間、2時間・・・待ち続けて。

やっと来た。悠也くん。

「悠也くん・・・ちょっと痩せたね?元気だった?」

笑顔になる悠也くん。

「美月はちょっと太ったんじゃないか?」

「・・・だって、ホストマザーの作るシナモンロールがおいしくて・・・って、もう少し、オブラートに包んだ言い方はできないの?ふっくらしたね、とか」

悠也くんがあたしを抱きしめて、それから、いままでで一番長いんじゃないか、ってくらいのキスをした。

「くっ、苦しかったよ、悠也くん」

「まだまだ足りない。2年分だからな」

「ちょっと待って、悠也くん、彼女とかいないの?」

「2年間、いたことないよ」

「あたしも・・・」

「連絡はとりあってなかったけど、僕たち、繋がってたんだな」

「こんなことなら、ちゃんと連絡とりあえばよかったかも」

「それだと、色々あったかもよ?見えない分、嫉妬とか、勘繰りとか」

「あたしたち、これから2年のブランクをうめていけるかな」

「できるさ。『僕は君に永遠の愛を誓う』って、英語でなんて言うの?」

「”I swear forever on my love for you.”かなぁ。他の言い方もあると思うけど」

「えっと・・・あい・すうぇあー・ふぉればー・・・」

「いいよ、いいよ、日本語で充分」

「いちお、プロポーズだから、ちゃんとやりたい」

「えっ?」
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