平然と嘘
5️⃣
裁 き
そんな生活を続けて
8年が過ぎようとしていた。
『話がありますので
今日は、どちらにもよらずに
早めに帰宅してください。』
と、妻の澪からLINEがきた。
俺の仕事中に、
連絡を寄越す事が
少ない澪だったから
何かあったのか・・・・と
それとも
大和が結婚でもするのか・・・・と
俺は、楽観的に考えていた。
澪の今日はどちらにも寄らずに・・
と言う言葉の意味も考えずに
いつもより、早く帰宅すると
お袋が、ソファーに座っていた。
「ただいま。えっ、お袋?」
「おかえり」
「おかえりなさい、純也さん。」
「あっ、ああ。」
と、手を洗い部屋着に着替えて
ソファーに座ると。
ピンポーンと、来客を告げる音
澪が、出向いて、玄関で話声が
回覧板か、と思っていると
男性を連れて、澪がリビングに
入ってきた。
澪とお袋が一緒に座り
俺とその男性が一人掛けのソファーに
それぞれが座った。
すると、男性が
「私は、片山法律事務所の
片山と申します。
あなたのお父様には
とても良くしてもらったのですが・・
今日は、こちらの澪さんからの
ご依頼で伺いました。」
と、言われた。
お袋を見たが、素知らぬ顔をしていた。
澪は?と思うと
片山さんとお袋にお茶を出していた。
俺は、訳がわからずに
片山さんの顔をみた。