平然と嘘
あ~、純也さんは、
夕紀さんを愛していると
私より、愛していると
言っていたのだろう。
と、わかった。
お義母さんは、
「澪ちゃん、こんなバカ息子だけど
赤ちゃんの為にも
許してもらえないだろうか?」
と、頭を下げて
純也さんにも、きちんと謝罪するように
言った。
私は、返事ができずにいた。
一時間、二時間と過ぎ
私は、お義母さんに
「お義母さん、すみません。
なんと、いってよいのか
わからないのが現状です。
私は、いつから
騙されていたのでしょうか?
この先、何を信じたら良いので
しょうか?
この先も、この二人が浮気をしない
とは限りませんよね?
この人でなくても、
また、浮気をするかもしれませんよね。
浮気をする人は、繰り返すと聞きます。」
「そうね。
この二人が、また、やらないとは
言いきれない。
それに、他の誰かとやるかもしれない。」
と、お義母さん。
「やっ、やらない。絶対にやらない。」
と、慌てて言う純也さんに
「それを信じろと?
どうやって?
あなたが私の立場なら
信じられますか?」
と、私が言うと
純也さんは、黙ってしまった。
すると、お義母さんが
「夕紀さんの両親にも
話を聞いてもらいましょう。
そして、その後、夕紀さんには、
この地を離れてもらいます。」
と、言うと
「なっ、なぜ、私が。」
と、言う夕紀さん
「あなたは、何も感じないのですか?
嫁は、妊婦なんですよ。
嫁やお腹の子に何かあったら
あなた、償えるのですか?
私のお願いが不服なら
その事も踏まえて慰謝料を請求し
仕事場にも連絡させてもらいますが
どちらが良いですか?」
と、お義母さんが言うと
夕紀さんは、黙って
純也さんに助けを求めようとしたが
今度も純也さんは、
口を開かなかった。