いつか誰かに恋をする………。
「一花は、頑張ってるのか?」

「たぶん……………。
母さんの電話だと、明日の朝には産まれるって言ってた…………。
子供産むって………
本当に大変なんだよなぁ。
むちゃくちゃ苦しそうだった…………。
姉貴は、のんびりおっとりしてるのに………
今朝は怖い位強くて………………カッコ良かった。」

「そっかぁ。
そうだなぁ~
男には耐えれない痛みらしいからなぁ~
一花も、これからは一美さんのように逞しくなるぞぅ!」

えっ!?

あの一花姉が、母さんみたいになるの?!

マジ!!

「母さんが、二人とか…………
勘弁してよぅ~」

嫌な想像に泣きが入った俺の頭をグリグリ押さえて………

「まぁ、大丈夫だ!
祥太は………今まで程構われなくなるけどな。
可愛いチビが暴れ回って、お前どころじゃなくなるぞ。
むしろ寂しくて『僕をかまって~』って泣いちゃうんじゃないかぁ。」

相変わらずからかうクマさんを無視して

「暴れ回るって………
赤ん坊だぞ?」って。

産まれたばかりの赤ん坊が、暴れ回るなんて想像がつかず

またからかわれたと文句を言っていると………

「動くだけが『暴れる』じゃないからなぁ~
チビは凄いぞ。
ギャーギャー喚いて『ミルク』『オムツ』『抱っこ』って
要求してくるから………。
受験勉強どころじゃなくなるぞ。」

産む大変さばかりが頭を占めていたが…………

もしかしたら、育てる方がもっと大変なのか??

これからの期待と不安を感じた1日だった。
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