いつか誰かに恋をする………。
「う~ん…………。
それでペンギンのプリクラを、自慢そうに見せて来たのかぁ…………。
参ったなぁ~」

「『可愛いくてモテる!』って
自覚がないのが…………良くないんだよなぁ。
おまけに。
世の中の男たちは、みんな俺かクマさんのような紳士だと………。
電車に乗ると………
痴漢やストーカーだって現れるのに………。」

「高校………どうするかなぁ~
部活で遅くなったら…………
暗い夜道を、歩いて帰る事だってあるはずだ………。」

「ここはやっぱり!
母さんか一花姉に送り迎えを、頼むのが…………。」

二人で膝を付き合わせて相談していると。

「ちょっと、そこの二人。
和花の成長を尊重するって約束で
今の高校を受験させたんでしょ?!
いい?
電車で出逢うのは
痴漢やストーカーだけじゃないの!!
和花は、恋を知って。
彼氏と『制服デート』を楽しんだり。
友達と寄り道して、美味しいものを見つけたり。
アルバイトをして………
素敵なカフェ店員さんと出逢って…………。
とにかく!!
青春を謳歌するの!」

ヒートアップする一花姉をなだめながら。

受験校を決める時

随分みんなで話し合ったことを思い出した。
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