いつか誰かに恋をする………。

「佐藤は、幼なじみなのか？
急に付き合ったから、びっくりしたんだけど…………」

「ちょっと先生！！
もう一発殴られたいですか？！
今、佐藤と和花の関係なんてどうでもいい事でしょう！！
女の子の健気な恋心について話してるのに…………。
和花はなんで、こんな鈍くて頼りない男を好きになったんだろう？
このレベルの男なんて腐るほどいるのに…………
単なる刷り込み？？
生まれて直ぐ目にした者を親と勘違いしたような感覚？？
そうじゃないとあり得ない！
あんな可愛い子が………
こんなに平凡で鈍感でおやじ男に惚れるなんて……………」

面と向かって

これ程分かりやすく悪口を言われた経験は、初めてだ…………。

けど………

それほど藤堂は、和花の事を大切に思ってるんだよなぁ。

「………ごめん…………。
俺が、無神経過ぎた………………。」

「それは何に対してですか？！
まさか『幼なじみ』発言に対してじゃないですよね？！」

カリカリしている藤堂に………『そうだ』とは言えず…………。

「いや…………。
和花の気持ちに……………」と答えた。

「少しは、考える頭があるんですね。」

どうやら正解だったらしい。

これ以上拳を受けると………

今日の授業が出来なくなる。