三次元彼氏。
「宗ちゃん普通に食欲あるみたいでよかった」
彼女もお粥とスープを持ってきて、僕のとなりに座る。
「あ、意外と上手くできてた…! よかった〜」
そしてそれを口に運びながら、彼女はいつものように幸せそうに笑った。
「…ほのか、お粥とスープまだ残ってる?」
「え? …あ、うん、残ってるよ、足りなかった?」
「うん。美味しくて」
そう答えると、彼女は嬉しそうに笑って「たくさん作ってよかった」と言った。
残っていたお粥とスープを全部よそって、ほのかのとなりに戻る。
体調を崩したり風邪を引いたりすると、部屋に隔離されて話し相手はいなくなるのに、今こうして彼女がとなりにいて、しかもごはんまで作ってくれて、それを一緒に食べている。
彼女のことをとても愛おしく思って、じっと彼女の横顔を見つめた。
「……ん? 宗ちゃんどうしたの? 私何かついてる?」
彼女に大変な思いをさせてしまって、さらに手間までかけさせてしまっているというのに、
「これ食べれるなら、ずっと熱上がったままでいいや」
なんて、不謹慎にも思ってしまった。
彼女は一瞬目を丸くして、そしてすぐに「何言ってるの、早く熱下げて、お出掛けしよう」と笑った。