三次元彼氏。
昼過ぎに、説明会が終わったからバス停まで迎えに来い、と姉から連絡があったので、僕とほのかは大方の準備を終えたところで先ほどのバス停に向かった。
そして3人でほのかの家に入る。
「おじゃましまーす!」
「どうぞ」
姉は「あー疲れた」と言いながらジャケットを脱ぐ。
「どこの会社の説明会だったの?」
「銀行だよ。そこで将来いい旦那捕まえるんだから」
「……」
たこ焼きたこ焼き〜と言いながら、姉は既にテーブル前にスタンバイしている。
「おなか空いたー、早く作ろ!」
それからひたすらたこ焼きを作り続け、材料もほとんど使い果たしてきた頃。
「え、ほのちゃん漫画読むの?」
姉が、ほのかの部屋の壁一面にある本棚を見て訊いた。
「あ、はい、読みますよ結構」
「うっそ意外! 見ていい?」
「いいですよ」
漫画に食いつく姉を見て思い出した、そういえば姉も漫画が好きで、実家の部屋には引くほど漫画が置いてあった。
「えーっ! ほのちゃんも読んでるのコレ! くっそイケメンしか出てこない神漫画!」
「はい、それ特に好きなんです! 舞香さんも知ってますか!?」
「知ってるも何も、あたしの酸素よコレは!」
「……」
…つ、ついていけない………