三次元彼氏。
「もちろん水たくさん飲ませてたから、そのうち酔いも覚めると思ってたんだけど……全然で…」
「……ああ〜、そーちゃんだあ〜〜、ふふ」
「えっ、ちょっ、」
僕だとようやく理解したのか、彼女は天音さんに預けていた体を僕に寄せてきた。
酔っ払うって………ああそうか、ほのかはもう誕生日を迎えたから、飲める年になってたのか…
いやそれにしたって………お酒を飲んだという彼女はあまりにも無防備すぎる。
「それでほのかの家まで送ろうと思ってたんだけど、思ったより遅くなっちゃって、終電近いの……それでごめん、滝本くん呼び出しちゃったの。ほのかのこと、家までお願いしてもいい…?」
……そういうことか、天音さんから急に電話が来たのは。
「うん、全然大丈夫。わざわざありがとう」
「本当ごめんね、夜遅くに。今度何か奢るわ」
「え、いいよそんな…」
「天音〜〜終電来ちゃうよお〜」
天音さんの後ろから呼ぶ声が飛んできた。
「うん今行くー! じゃあ、またね滝本くん。ほのかのことよろしく」
「あ…うん、気をつけて…」
天音さんは、店の前にいた集団の中に混ざった。
……が、その中に、見たことのない男の人達の姿を発見した僕は、一瞬固まった。
え………女子でごはんって言ってなかったっけ……………?