三次元彼氏。


———「……ん………ちゃん…」


「………ん…」


「…宗ちゃん…!」

「…え……」


呼ばれる声が聞こえて目を開けると、そこにはほのかがいた。


「えっ……びっ…くりした……」

「宗ちゃん、何でこんなところに……?」

「え………」

寝起きで状況が掴めず、僕は数回瞬きを繰り返す。


……………え————


僕はというと、どういうわけか、キッチンの床に寝転がっていた。

全く理解ができず、僕はとりあえず起き上がって、昨日のことを思い出した。


「………あ、」

まさか昨日、水飲んだ後そのままここで寝た………ってこと…………!?

いやあり得ない………けど、水を飲んだ後の記憶が全然ない…………


「宗ちゃん、体冷えてるよ……ていうか、何で私が宗ちゃんの家にいるの……?」

「え………?」

まさか……覚えてないの…………!?


「……よく覚えてないんだけど…昨日お店を出た後、宗ちゃんが迎えに来てくれたまでは、記憶に何となく残ってるの。けど、それから、どうやって帰ったのか全然思い出せなくて………しかも、朝起きたら宗ちゃんちのベッドで寝てるし、宗ちゃんはキッチンで倒れてるし…」


嘘だろ………………


………じゃあ、昨日、急にあんなことしてきたことも、全然、覚えてないっていうのか…………!?



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