三次元彼氏。


数十分後、ごはんが炊けたのでそれぞれ読書とゲームを中断する。時刻は13時。


「いただきまーす」

テーブルの向かいに座った彼女は、嬉しそうに手を合わせる。

「ん〜、美味しい!」

「ほんと?」

「うん、宗ちゃんも早く食べなよ」

僕も1口食べる。

「ほんとだ、美味しい…!」

「自分で作るのも美味しいけど、宗ちゃんと作ると2倍美味しいね」

そう言ったほのかは、また幸せそうにカレーを頬張る。


彼女はいつも笑っているけど、ごはんを食べている時が1番嬉しそうで、食べている姿を見ていると僕まで嬉しくなってくる。

そんな彼女と、こんなにのんびりと休日を過ごせるなんて、僕は幸せ者だなあと最近つくづく思うようになった。


「……宗ちゃん?」

「…え?」

「どうしたの? 私、何か変…?」

きっと考えながらほのかの顔をずっと見ていたからか、彼女は不思議そうに訊いてきた。

「いや、何でもないよ」

僕は笑うと、またカレーを1口食べる。

彼女の言う通り、2人で作ると2倍美味しい。



「ごちそうさまでした!」

2人ともあっという間に平らげ、片付けに入る。


「宗ちゃん、お茶飲む?」

食器を洗う僕の横で、彼女は冷蔵庫からボトルを出してきた。

「うん。ありがとう」


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