三次元彼氏。



「いただきまーす!」

「どうぞ召し上がれ…」



僕の目の前には、嬉しそうに手を合わせる彼女。

召し上がれと言った早瀬は、なおもダメージを受けたまま回復していないらしい、彼女の前に置かれた料理の数々を見て呆然としている。



「んー美味しい! ガッキー美味しいよこのから揚げ、1つあげようか?」

「ほんと? もらう」

天音さんはすっかり元通りで、彼女から特大のから揚げをもらって頬張り始めた。



「人の金で食うから揚げは美味いか…!」

「まあまあ早瀬、おなか空いてるなら僕のコロッケあげようか? から揚げじゃないけど」

「俺のことはお気になさらず食べてください…」


そう言うと彼は丼をかき込んだ。



「あっ、そうだ、2人はどこの高校出身なの?」

食べていたら、天音さんが訊いた。


「私と早瀬は同じ(あさひ)高だけど、2人どこなのかなーって」

「あ、僕は、海東(かいとう)高校出身です」

「海東…? 聞いたことねーな、天音知ってる?」

「ううん、初めて聞いた」

「あ、結構田舎の学校なので、地元の人くらいしか知らないと思います」

「そーなんだ」



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